映画『水は海に向かって流れる』ネタバレ考察|タイトルの意味と「水」が表すもの

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映画『水は海に向かって流れる』は、派手な展開よりも、登場人物たちが抱えている心の傷や「許し」を丁寧に描いた作品です。

その中でも印象に残るのが、タイトルにも登場する「水」。

土砂降りの雨から始まり、川や海が登場する物語は、まるで千紗と直達の心の変化と重なっているようにも見えます。

この記事では、映画『水は海に向かって流れる』をネタバレありで考察します。

タイトルに込められた意味を中心に、「子供には関係ない」という言葉やポトラッチ丼、雨・川・海など、作品に登場する「水」のモチーフから、千紗が過去から少しずつ動き始めていく姿を読み解いていきます。

今回は、映画【水は海に向かって流れる】の考察について解説します。

今回紹介するのは、下記の4点です。

1.『水は海に向かって流れる』に込められた意味
2.「子供には関係ない」に込められた意味
3.ポトラッチ丼が象徴していたもの
4.雨・川・海――映画に描かれた「水」の意味

『水は海に向かって流れる』に込められた意味

映画のタイトル「水は海に向かって流れる」には、物語を読み解くうえでいくつかの意味が重ねられているように感じます。

1つ目は「自然の流れ」

雨が降り、川となった水は、やがて海へ流れ込んでいきます。

人が一生懸命に考えたり、悩んだりしても、最後には自然の流れのように身を任せるしかない。

そんな「必然」とも「諦め」ともとれる意味が、このタイトルにはあるのではないでしょうか。

2つ目は「自然の摂理」

水は、高いところから低いところへ流れていきます。

人もまた、すべてを自分の力でコントロールしようとせず、流れに身を任せることで、自然と次の場所へ進んでいくことがあります。

千紗も10年前の出来事を抱えたまま、ずっと心を閉ざしていました。

けれど、直達とシェアハウスで暮らす中で、少しずつその流れが変わっていきます。

3つ目は「水は、流れなければ濁ってしまう」

水は流れ続けることで、やがて海へたどり着きます。

逆に、同じ場所に留まり続ければ、水は濁ってしまう。

この「留まらずに流れる」というイメージは、千紗の生き方にも重なって見えます。

千紗は10年前に家族に起きた忌まわしい出来事に蓋をして、それ以上傷つかないように生きてきました。

しかし、過去に留まり続けている限り、心の傷も消えることはありません。

直達と出会い、同じシェアハウスで暮らすことで、千紗は少しずつ過去と向き合い、自分の中に溜め込んでいたものを動かし始めます。

だから私は、「水は海に向かって流れる」というタイトルには、

「過去に留まり続けるのではなく、少しずつでも前へ進んでいく」

という千紗の変化も重ねられているのではないかと考えました。

水が自然に海へ向かうように、人の心もまた、時間や出会いによって少しずつ動き出す。

そんな意味にも受け取れるタイトルです。

なお、千紗と直達がラストシーンの後にどうなっていくのかについては、こちらの記事で詳しく考察しています。

【水は海に向かって流れる】ラストシーンからのその後を考察

「子供には関係ない」に込められた千紗の葛藤

榊千紗(広瀬すず)の母親と、熊沢直達(大西利空)の父親は、10年前にW不倫をしていました。

千紗は直達を迎えに行った際、家族が写った年賀状を見せられ、そこに写っていた父親の顔から、直達の父親が母親の不倫相手だったことを知ってしまいます。

その直後に出会ったのが、直達でした。

千紗にとっては、簡単に割り切れる状況ではありません。それでも、すべてを理解した上で、何も変えずに暮らそうとします。

しかし、直達を見るたびに、

「母を傷つけた男の息子」

ということを意識してしまう。

だからこそ千紗は、

「子供には関係ない」

と自分に言い聞かせていたのではないでしょうか。

直達には父親がしたことの責任はありません。

そして千紗自身にも、母親がしたことの責任はない。

そう考えれば、二人は同じ立場でもあります。

私はこの言葉には、直達を責めないという意味だけでなく、千紗自身も過去に縛られ続けないための思いが込められているように感じました。

ポトラッチ丼が象徴していたもの

シェアハウスで同居することになった熊沢直達(大西利空)を、榊千紗(広瀬すず)が土砂降りの中で駅まで迎えに行きます。

どこか怒っているような千紗と、ほとんど会話のないままシェアハウスへ。

お腹を空かせた直達のために千紗が作ったのが、シェアハウスの住民たちから「ポトラッチ丼」と呼ばれている牛丼です。

高級な和牛も玉ねぎも麺つゆも、鍋に次々と放り込んでいく千紗。

この映画では、千紗が料理をするシーンが何度も登場します。

そのたびに、どこか暴力的にも見える作り方が印象に残ります。

私はこの姿から、千紗が言葉にできないストレスや憂うつな気持ちを、料理にぶつけて発散していたのではないかと感じました。

「ポトラッチ丼」は、そんな千紗の複雑な心を表していたのかもしれません。

ポトラッチ丼など映画の小ネタについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

映画『水は海に向かって流れる』小ネタまとめ

雨・川・海――映画に描かれた「水」の意味

榊千紗(広瀬すず)と熊沢直達(大西利空)の出会いは、土砂降りの雨でした。

シェアハウスへ向かう途中には、街の中を流れる川も登場します。

そして物語の後半では、二人が海辺にいるシーンが描かれます。

雨から川、そして海へ。

こうして考えると、映画の中で描かれる「水」は、単なる背景ではなく、二人の関係の変化と重ねられているようにも感じます。

出会ったばかりの二人の距離は遠くても、一緒に過ごす時間の中で少しずつ変わっていく。

まるで水が自然に流れていくように、二人の関係も少しずつ動き始めていたのではないでしょうか。

以上が、映画【水は海に向かって流れる】の考察でした。

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総合評価&あらすじ

あらすじ

通学のため、叔父・茂道の家に居候することになった高校生の直達。だが、どしゃぶりの雨の中、最寄りの駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性、榊さんだった。案内されたのはまさかのシェアハウス。いつも不機嫌そうにしているが、気まぐれに美味しいご飯を振る舞う26 歳の OL ・榊さんを始めとし、脱サラしたマンガ家の叔父・茂道(通称:ニゲミチ)、女装の占い師・泉谷、海外を放浪する大学教授・成瀬・・・と、いずれも曲者揃いの男女5人、さらには、拾った猫・ミスタームーンライト(愛称:ムー)をきっかけにシェアハウスを訪れるようになった直達の同級生で泉谷の妹・楓も混ざり、想定外の共同生活が始まっていく。そして、日々を淡々と過ごす榊さんに淡い想いを抱き始める直達だったが、「恋愛はしない」と宣言する彼女との間には、過去に思いも寄らぬ因縁が・・・・・・。榊さんが恋愛を止めてしまった《本当の理由》とは・・・・・・?

水は海に向かって流れる 公式

みんなの評判は?

『水は海に向かって流れる』を観た人からは、広瀬すずさんの演技や猫、豪快な料理、そして登場人物たちの複雑な感情について、さまざまな感想が寄せられています。

実際に映画を観た人の声を見てみましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 映画『水は海に向かって流れる』のタイトルにはどんな意味がありますか?

A. 水が自然に海へ流れていくように、千紗も過去に留まり続けるのではなく、少しずつ前へ進んでいく姿が重ねられているように感じます。

Q2. 「子供には関係ない」というセリフにはどんな意味がありますか?

A. 親が犯したことの責任を、子供が背負う必要はないという意味です。同時に、千紗自身にも向けた言葉だったのではないかと考えられます。

Q3. ポトラッチ丼にはどんな意味がありますか?

A. 千紗が抱えているストレスや複雑な感情を、料理という行為にぶつけていたことを表しているように感じます。

まとめ

映画『水は海に向かって流れる』のタイトルには、過去に留まり続けるのではなく、少しずつ前へ進んでいくという意味が重ねられているように感じます。

千紗は10年前の出来事に傷つき、心を閉ざしていました。

それでも直達との出会いやシェアハウスでの暮らしを通して、少しずつその心は動き始めます。

雨から川、そして海へと流れていく「水」の描写も、そんな二人の変化と重なって見えます。

水が自然に海へ向かって流れるように、千紗もまた、過去から少しずつ前へ進み始めていた。

私は、このタイトルにはそんな千紗の変化が込められているのではないかと考えました。

映画をもう一度観るときは、タイトルの「水」がどの場面で登場するのかにも注目してみると、また違った見方ができるかもしれません。

あわせて読みたい

『水は海に向かって流れる』の結末や登場人物の心情をさらに深く知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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