映画【金子差入店】撮影秘話|11年かけて完成した制作の裏側とは

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映画『金子差入店』は、古川豪監督が脚本の完成まで11年をかけた作品です。

物語のきっかけは、監督が助監督時代に偶然目にした「差入店」でした。

そこから長い時間をかけて脚本を作り上げ、丸山隆平さん、北村匠海さんらキャストとともに映画として完成させています。

この記事では、『金子差入店』がどのように生まれ、どんな思いで撮影されたのか、古川監督やキャストのインタビューをもとに撮影秘話・制作の裏側を紹介します。

  1. 差入店との出会いから始まった『金子差入店』
    1. 助監督時代に偶然目にした差入店
    2. 『おくりびと』で感じた職業への興味
  2. 脚本完成まで11年…父親になったことで物語が動いた
    1. オリジナル脚本だからこその試行錯誤
    2. 我が子の誕生が金子真司という人物を変えた
  3. キャストはどう役を作り上げたのか
    1. 丸山隆平が金子真司を作るためにこだわったこと
    2. 北村匠海は「あて書き」だった
    3. 映画デビューの川口真奈が挑んだ佐知役
  4. 張り詰めた現場で生まれた印象的なシーン
    1. 北村匠海との対峙シーンはテストなしで撮影
    2. 作品一の長回しワンカット
    3. 初めての映画現場を支えた共演者たち
  5. 映画の世界を作った映像と美術へのこだわり
    1. 閉店した酒屋が「金子差入店」になった
    2. シネマスコープとアナモフィックレンズ
    3. 白いデイジーまでこだわった美術
    4. SUPER BEAVERが主題歌を即決した理由
  6. みんなの評判は?
  7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 映画『金子差入店』の脚本は何年かけて作られた?
    2. Q2. 丸山隆平は金子真司役をどのように作った?
    3. Q3. 北村匠海が演じた小島高史にはどんな演出があった?
  8. 『金子差入店』を今すぐ観るならこちら
    1. Prime Video配信情報
    2. Blu-ray&DVD情報
  9. まとめ
  10. あわせて読みたい
    1. 映画『金子差入店』の結末や事件の真相を詳しく知りたい方へ
    2. 『金子差入店』と同じテーマを描いた映画

差入店との出会いから始まった『金子差入店』

『金子差入店』が生まれるきっかけとなったのは、古川豪監督が偶然目にした「差入店」でした。

なぜ監督は、このあまり知られていない仕事を映画の題材に選んだのでしょうか。

助監督時代に偶然目にした差入店

古川豪監督が「差入店」の存在を知ったのは、助監督として参加していた作品の撮影中だったそうです。

拘置所の近くにあった一軒の差入店が目に留まり、「なぜ差し入れを代行する店が必要なのだろう?」と疑問を持ったことが始まりでした。

それまで監督は、面会に行く人が自分で用意した物を差し入れるものだと思っていたといいます。

そこから「差入屋」という仕事について調べていくうちに、世の中にはあまり知られていなくても、絶対になくすことのできない仕事があると感じたそうです。

その出会いが、後に映画『金子差入店』の物語へとつながっていきました。

『おくりびと』で感じた職業への興味

古川監督は助監督として参加した映画『おくりびと』で、葬儀屋とは別に「納棺士」という職業があることを知り、強く感銘を受けた経験があったそうです。

普段の生活ではあまり意識することのない仕事でも、誰かにとっては絶対に必要な存在がある。

そんな経験もあり、「差入屋」という仕事を知った時に、こうした経験も、『差入屋』という仕事を映画にしたいと考えた理由の一つだったようです。

こうして古川監督は、『金子差入店』の脚本を書き始めました。

脚本完成まで11年…父親になったことで物語が動いた

『金子差入店』は、古川豪監督が脚本を書き始めてから完成までに11年をかけたオリジナル作品です。

その長い制作期間の中で、監督自身の人生にも大きな変化がありました。

オリジナル脚本だからこその試行錯誤

原作のない物語を一から作るため、古川監督は試行錯誤を繰り返したそうです。

なかなか納得のいく脚本が書けず、時間だけが過ぎていくこともあったといいます。

それでも物語と向き合い続け、少しずつ『金子差入店』の形を作っていきました。

我が子の誕生が金子真司という人物を変えた

脚本を書き続ける11年の間に、古川監督は結婚し、子供を授かりました。

我が子が生まれた時に感じた、「何があっても、この子を守り続ける」という強い思いが、金子真司の息子・和真への愛情につながったそうです。

父親になったことで自身の価値観も変わり、その時に初めて物語が現在の構成へと固まっていったといいます。

キャストはどう役を作り上げたのか

『金子差入店』では、キャストそれぞれが役に向き合い、細かな部分まで準備をして撮影に臨んでいました。

中でも主演の丸山隆平さん、北村匠海さん、映画デビューとなった川口真奈さんは、それぞれ違った方法で役を作り上げています。

丸山隆平が金子真司を作るためにこだわったこと

丸山隆平さんは、差入屋という仕事を取材することも考えたそうですが、最終的には「金子真司という人間そのものを構築すること」を重視しました。

丸山隆平さんが演じた金子真司については、こちらの感想レビューでも詳しく紹介しています。

👉丸山隆平さんが演じた金子真司について詳しく紹介

そのため、撮影前には古川監督と何度も会い、監督の生い立ちや人生観、家族との関わり方などを聞き、それを参考にしながら金子の生活感を作っていったそうです。

見た目にもこだわり、スキンケアをやめ、白髪を染めずに残すなど、生活感のある人物像を追求しました。

北村匠海は「あて書き」だった

北村匠海さんが演じた小島高史は、古川監督が北村さんをイメージして書いた「あて書き」でした。

監督からは、小島について「音楽と出会わなかったトム・ヨークをイメージしてください」と伝えられたそうです。

また、北村さんは役のために髪を伸ばして撮影を待っていたといい、監督はその姿勢からも本気度を感じたと語っています。

映画デビューの川口真奈が挑んだ佐知役

本作が映画デビューとなった川口真奈さんが演じた佐知は、台詞が少なく、表情だけで感情を伝える難しい役でした。

監督から「表情だけで伝えてほしい」と言われた川口さんは、眉や目線、口元など細かな表現を意識。さらに顔のトレーニングやマッサージも行い、表情の幅を広げる準備をして撮影に臨みました。

撮影期間中は役に入り込んでいたため、普段の生活でも友人から「怒ってる?」と聞かれることがあったそうです。

張り詰めた現場で生まれた印象的なシーン

『金子差入店』には、出演者の感情をそのまま映像に残すため、撮影方法にもさまざまな工夫がありました。

中でも古川監督がこだわったのが、丸山隆平さんと北村匠海さんが対峙するシーンと、金子が母親と向き合う場面です。

北村匠海との対峙シーンはテストなしで撮影

丸山隆平さんが特に強く印象に残っているのが、北村匠海さん演じる小島と対峙するシーンです。

この場面は、テストをせず、そのまま本番の撮影に入ったそうです。

古川監督は、テストをすると張り詰めた空気が抜けてしまうと考え、最初の緊張感や「鮮度」をそのまま映像に残したかったといいます。

丸山さん自身も撮影時の記憶がないほど役に入り込んでいたそうで、二人の緊迫した空気は、こうした撮影方法によって生まれていました。

作品一の長回しワンカット

もう一つ監督がこだわったのが、金子が母親を警察署まで迎えに行き、車の中で話すシーンです。

この作品で一番の長回しワンカットとなる場面で、金子と母親が真正面から向き合うのはここだけ。

古川監督は丸山さんと母親役の根岸季衣さんに、金子が生まれてから41年間に積み重ねてきた親子の歴史を見せてほしいと伝えたそうです。

初めての映画現場を支えた共演者たち

映画デビューとなった川口真奈さんにとっても、緊張の連続だった撮影現場。

冬の寒い時期の撮影では、丸山さんがカイロを持ってきてくれたり、岸谷五朗さんが自身の若い頃の失敗談を話して緊張を和らげてくれたりしたそうです。

川口さんは、そんな共演者たちのおかげで初日から現場に溶け込めたと振り返っています。

また、丸山隆平さんが後から明かした、寺尾聰さんとの撮影秘話も興味深いものでした。

完成した映画には残らなかったものの、撮影現場ではこんな印象的な瞬間も生まれていたようです。

映画の世界を作った映像と美術へのこだわり

『金子差入店』では、登場人物の演技だけでなく、店のたたずまいや映像、花にまで細かなこだわりが込められています。

閉店した酒屋が「金子差入店」になった

劇中に登場する「金子差入店」は、セットではなく、実際に閉店した酒屋を使って撮影されました。

もともとは店舗部分だけを借りる予定だったところ、店舗と住居が一体になった建物だと分かり、そこに残る生活感を生かすことに。

家族3人が川の字になって寝る場面や食卓を囲むシーンなど、金子家の日常を感じさせる場面の多くが、この場所で撮影されています。

シネマスコープとアナモフィックレンズ

古川監督と撮影の江﨑朋生さんは、本作をシネマスコープサイズで撮影することを決めました。

さらにアナモフィックレンズを使用し、このレンズならではの光や歪みを生かした映像を作っています。

監督は、子供の頃に見ていた映画のような映像にこだわったと語っています。

白いデイジーまでこだわった美術

劇中で何度か登場する割れた植木鉢は「世間の白い眼」の象徴として描かれています。

この割れた植木鉢やラストに込められた意味については、こちらの考察記事で詳しく解説しています。

👉割れた植木鉢やラストに込められた意味

その植木鉢に植えられている花にもこだわり、監督がどうしても使いたかったのが白いデイジー。

撮影時期には店頭で見つからなかったため、建物の横で育ててもらったそうです。

白いデイジーの花言葉は「平和」。

花一つにも意味を持たせるほど、細部までこだわって映画が作られていました。

SUPER BEAVERが主題歌を即決した理由

主題歌「まなざし」を歌うSUPER BEAVERとは、古川監督が『東京リベンジャーズ』のMV制作で関わったことがきっかけで依頼しました。

人気バンドだけに難しいのではないかと思っていたそうですが、依頼すると即決で引き受けてくれたとのこと。

映画のテーマに寄り添う主題歌も、こうして作品に加わりました。

みんなの評判は?

丸山隆平さんや北村匠海さんの演技、そして「差入屋」という題材そのものに強く引き込まれた人も多かったようです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 映画『金子差入店』の脚本は何年かけて作られた?

古川豪監督が脚本を書き始めてから完成するまで、11年かかっています。

原作のないオリジナル脚本で、試行錯誤を重ねる中、監督自身が父親になったことで物語の軸が固まっていったそうです。

Q2. 丸山隆平は金子真司役をどのように作った?

丸山隆平さんは、差入屋という仕事そのものよりも、「金子真司という人間」を作ることを重視しました。

撮影前に古川監督と何度も話をし、監督の生い立ちや人生観、家族との関わり方なども参考にしながら役を作り上げています。

Q3. 北村匠海が演じた小島高史にはどんな演出があった?

小島高史は、古川豪監督が北村匠海さんをイメージして書いた「あて書き」の役です。

監督は北村さんに「音楽と出会わなかったトム・ヨークをイメージしてください」と伝え、幼少期から右目の手術を繰り返したトム・ヨークのエピソードも小島の設定に取り入れました。

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古川豪監督やキャストのこだわりを知ったうえで、もう一度本編を観返してみるのもおすすめです。

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まとめ

映画『金子差入店』は、古川豪監督が偶然目にした「差入店」をきっかけに生まれ、脚本完成まで11年をかけて作られた作品でした。

丸山隆平さんは金子真司という人物そのものを作り込み、北村匠海さんは「あて書き」の役に挑戦。映画デビューとなった川口真奈さんも、表情だけで佐知の感情を伝えるため、細かな準備を重ねていました。

さらに、テストなしで撮影された緊迫したシーンや、閉店した酒屋を使った「金子差入店」、白いデイジーに込められた意味など、画面に映る一つひとつの細部にも古川監督のこだわりが込められています。

撮影秘話を知ってから本編を観返すと、これまで何気なく見ていたシーンも、少し違って見えてくるかもしれません。

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