映画【国宝】。原作小説(吉田修一『国宝』)を読んだ方にとっては、「あれ?こんなシーンあったっけ?」「結末が違う?」と、驚くポイントがいくつもあったのではないでしょうか。「映画と原作小説の違いって何?」という疑問に答えるべく、ネタバレを含みつつ両者を比較・解説していきます。
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映画【国宝】の原作小説との違いについて解説します。
今回紹介するのは、下記の「5点」です。
1.原作小説との違い① 映画で簡素化・削除…
2.原作小説との違い② 人間模様の違い
3.原作小説との違い③ 最後の演目の違い
4.原作小説との違い④ ラストシーンの違い
5.その他の小ネタ まとめ
原作小説との違い① 映画で簡素化・削除…
原作の小説「国宝」は、上下巻で800ページを超える長編小説でした。映画にするにあたり、削除したシーンや背景がありました。
徳次の扱いが縮小
原作小説では、幼少期から共にした徳治の扱いが大幅に縮小されました。彼は、喜久雄にとっては付き人兼兄貴分であり、時には父親的な存在。野性的で口は悪いが、その胸の奥には誰よりも熱く優しい心を秘めていました。
その生き方には一切の打算がなく、「支える」と決めた相手への揺るぎない忠誠があります。喜久雄の娘・あやのが非行に走った時、命を賭して迎えに行くシーンには、彼の誠実な生きざまがにじみ出ており、読者の胸を打ちます。
原作読者からは、喜久雄にとっても重要な人物だったので、映画での扱いに残念がる声も多かったですね。
組同士の抗争や芸能界との関係
原作では、喜久雄の実家・立花組と、敵対する宮地組との長年の因縁が描かれていて、任侠の背景がしっかり作り込まれています。ただ、映画ではそこは大胆にカット。物語の焦点を喜久雄と芸の道に絞るため、監督が思い切って整理したのでしょう。
女性達の背景が縮小
徳治と同様に、彰子(森七菜)や藤駒(見上愛)にマツ(宮澤エマ)らの背景が簡素化されました。長編と言えども3時間では収めるのは困難だったでしょう。
彰子
原作での彰子(森七菜)は、喜久雄の恋人や妻というより「芸を見届ける」存在として際立っています。喜久雄を最後まで見守って支えている姿には、深い覚悟と包容力があり、単なる愛情だけではない結びつきで描かれています。
映画では、一見すると喜久雄に利用されたようにも見えますが、原作では彼の個人事務所の社長にまでなるなど、自立した女性として描かれており、度量もあり芯の強さも持ち合わせているのが印象的です。
#映画国宝 𝚌𝚑𝚊𝚛𝚊𝚌𝚝𝚎𝚛𝚜
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__ 🪭彰子┋#森七菜
歌舞伎役者・吾妻千五郎の娘。
喜久雄のことを慕う。
映画『#国宝』
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藤駒
映画では途中から描かれなくなる藤駒(見上愛)との関係ですが、原作ではその後も描写が続きます。喜久雄は彼女とは夫婦として共に過ごすことはなかったものの、娘・綾乃を実の子として認知し、たびたび会いに行っています。
血の繋がりだけでなく、簡単には切れない縁として描かれ、父親としての苦悩や葛藤があり、映画よりも具体的で生々しく表現されています。原作ならではの深い人間関係がそこにあります。
#映画国宝 𝚌𝚑𝚊𝚛𝚊𝚌𝚝𝚎𝚛𝚜
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__ 🪭藤駒┋#見上愛
喜久雄が京都の花街で出会う芸妓。
まだ無名の喜久雄の、
役者としての才能を予見する。
映画『#国宝』
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原作小説との違い② 人間模様の違い
喜久雄の内面の扱い
原作小説では喜久雄の心理が一人称の視点で深く描かれ、読者は彼の苦しみを追体験することができました。一方、映画ではその心理描写を抑え、吉沢亮さんの表情や演出で心情を表現しているのが特徴です。
映画での彰子とのベッドシーンをきっかけに喜久雄が覚醒していき、芸に取りつかれたような狂気を帯びていく姿が印象的に描かれます。
一方、原作ではそこに至るまでの葛藤や、立場を利用したことへの謝罪が丁寧に描かれており、喜久雄の内面に深く迫っています。また、娘・綾乃との関係性や、狂気に向かうラストも映画と原作では異なり、映画はより視覚的に強調されていたが、原作は静かな狂気で締めくくられています。
春江の葛藤
俊介が喜久雄の芸に心が折れるも、「本物の役者になりたい」と涙を見せた姿に春江は強く心を動かされました。夜の世界で生きる春江にとって、華やかに光を放つ喜久雄よりも、葛藤や迷いを抱える俊介のほうが、心を寄せやすい存在だったのかもしれません。
映画ではそれが“同情”したようにも見えますが、原作では俊介が春江の店を度々訪れる様子も描かれており、関係は徐々に深まっていたことが分かります。俊介の苦悩に耳を傾けた春江が、「あんたは甘ちゃんでボンボンやけど、大きな心を持ってた」と語る場面もあり、決して軽はずみな“乗り換え”ではなく、人としてのつながりから生まれた自然な選択だったと読み取れるのです。
俊介の葛藤
俊介が「本物の役者になりたい」と目覚めるきっかけは、喜久雄の芝居に圧倒されたことでした。映画ではその後すぐに春江と共に失踪し、自力で復活を果たす展開になりますが、原作ではその道のりは遥かに険しいものでした。
甘えた性格が抜けず、ヒモ同然の生活を送ったり、古書店で働くうちに歌舞伎の奥深さに触れたりと、紆余曲折が描かれます。さらには第一子を病で失うという深い悲しみも経験し、そこからようやく立ち直る姿が描かれます。その後、喜久雄が彼の復活を舞台で目撃し、思わず見入ってしまう場面も印象的です。
原作小説との違い③ 最後の演目の違い
映画のクライマックスでは、喜久雄と俊介が「曽根崎心中」を共演しますが、原作での最後の舞台は「隅田川」です。
この「隅田川」は、亡き我が子を求めて川辺をさまよう母の姿を描いており、子を亡くし両脚を失った俊介の姿と重ねられることで、芸に生きる者の苦悩と執念がより深く描かれています。
一方、映画では喜久雄と俊介の対峙に焦点が当たっており、そのため演目自体がより関係性を象徴する形にアレンジされています。思い切った変更点ですが、映画での展開を考えるとしっくりくる内容でした。
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原作小説との違い④ ラストシーンの違い
映画のラストシーンは、人間国宝となった喜久雄が『鷺娘』を踊り、大勢の観客から喝采を浴びる中で幕が下ります。芸を極め、すべてを捨てた男の美しくも儚い姿が印象的です。
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一方、原作では彼は花魁の姿で劇場を飛び出し、交差点で踊り狂う姿が描かれています。「阿古屋の顔を白く浮かび上がらせた」という表現から、車に轢かれて命を落としたことが示唆され、芸に呑まれた末の破滅的な最期が際立ちます。
映画と小説は、同じ終着点に至りながらも、芸に取り憑かれた男の結末を全く異なる表現で描いているのです。
その他の小ネタ まとめ
映画独自のシーン
映画『国宝』では、喜久雄(吉沢亮)と春江(高畑充希)、そして彰子(森七菜)とのベッドシーンが描かれていますが、これらは原作小説には一切登場しません。
李相日監督は、映画ならではの演出として、男女の関係性の親密さや人生の濃密な交差を、身体的な描写を通じて表現しようとしたのでしょう。小説が精神的なつながりを重視していたのに対し、映画は大人の恋愛のリアリティをよりダイレクトに描き出しています。
名前が変わる…
映画『国宝』で見上愛さんが演じた舞妓の名前は「藤駒」ですが、原作小説では「市駒」という名前でした。
この変更には理由があり、過去に舞妓時代の経験を告発した実在の元舞妓「市駒」さんがいたため、映画制作側は誤解やトラブルを避けるために名前を変えたそうです。こうした配慮が、作品のリアリティを守りつつも関係者への敬意を示す大人の対応と言えます。
徳次は…
原作の喜久雄最後の舞台では、綾乃と春江が徳次の到着を待っていました。徳次はかつての任侠の世界を離れ、中国へ渡って成功を収め、会社の社長となっています。
そんな彼が今、喜久雄が舞う歌舞伎座へと向かう姿が描かれています。かつての絆と新たな人生の交差点で、物語は深い余韻を残します。
他にも、泣く泣くカットされた部分を吉沢亮さんと横浜流星さんが語っています。
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以上が、映画【国宝】の原作小説との違いでした。

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吉沢亮演じる喜久雄は、任侠の家に生まれ、悲しい父の別れと影を背負いながらも芸の道に命をかける男。一方の俊介(横浜流星)は、歌舞伎の名門の家庭で育ちながらも、芸の前に打ちのめされ、人生をかけて再挑戦する男。
静と動、狂気と誠実といった対比が、彼らの演技からビシビシ伝わってきます。とくに劇中での舞台シーンでは、実際の歌舞伎俳優と遜色ない所作と表情で観る者を圧倒。ふたりの存在感が、まるで映画そのものを飲み込んでいくような迫力があります。
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見どころ②:映画ならではの演出
小説では一人称の内面描写で丁寧に描かれていた“芸に呑み込まれる”感覚が、映画では映像と音響を駆使して表現されています。特に照明やカメラワーク、音楽の使い方が巧みで、舞台の上で時間が歪むような感覚や、日常の中に非現実が忍び寄るような瞬間が、観ているこちらにも染み込んでくるんです。
喜久雄が「鷺娘」を踊る場面では、舞台の明かりが幻想的に揺らぎ、音楽が高鳴る中で、観客席との境界があいまいになるほどの没入感。これはもう、“観る”というよりも“体験する”映画。
芸に狂うとはどういうことかを、セリフに頼らず映像で描き切っている点は、本作が映画作品として極めて高水準であることの証しだと思います。
みんなの評判は?
「国宝」を視聴。舞台の描写、演技、台詞回し全てが圧倒的なクオリティだった。途中のキツい展開も高いクオリティで突きつけられるので映画館という空間で見て良かった…展開について言いたいことはあるけれど、小説が原作なのでそこを読まないとわからない部分なのかな〜 pic.twitter.com/N5XMywmNIn
— ふじちゃ (@obbayaaaaaaaaaa) July 21, 2025
映画「国宝」素晴らしかった(語彙力)。
— ぽんこつ会計士 (@ponkotsucpa) July 14, 2025
原作小説も最近読んだ本の中でもベスト5に入る出来だった。映画との違いを楽しむのもなかなか良き。
国宝めっちゃ良かった…!
— つばき (@dont_stop_sns) July 5, 2025
原作小説読んでから行ったから、違いが気になるところもあったけど、吉沢亮の演技で全てがうまくおさまってた。
喜久雄の色気とか孤独感がすごくて、俊ぼんは愛嬌のある感じの対比が良かった。
喜久雄と俊介の少年時代を演じたお2人もめちゃくちゃ良かった。
まとめ
映画【国宝】の原作小説との違いについて解説しました。
今回紹介したのは、下記の「5点」です。
1.原作小説との違い① 映画で簡素化・削除…
2.原作小説との違い② 人間模様の違い
3.原作小説との違い③ 最後の演目の違い
4.原作小説との違い④ ラストシーンの違い
5.その他の小ネタ まとめ

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