映画【君の顔では泣けない】撮影秘話まとめ|芳根京子と髙橋海人が挑んだ入れ替わり演技

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映画『君の顔では泣けない』は、高校1年生のときに入れ替わったまま15年を生きる陸とまなみを描いた話題作です。

本作で大きな注目を集めたのが、芳根京子さんと髙橋海人さんによる自然な入れ替わり演技ではないでしょうか。

実は二人は、男女の違いを大げさに演じるのではなく、「人格を演じる」ことを大切にしながら役作りを進めていたそうです。

さらに坂下雄一郎監督は、入れ替わり作品にありがちなコメディ表現を避け、二人の人生を丁寧に描くことを意識していたと明かしています。

この記事では、芳根京子さんと髙橋海人さんの役作りや撮影現場の裏話、監督や原作者が語った制作秘話をまとめて紹介します。

映画を観た方はもちろん、これから鑑賞する方もぜひ参考にしてみてください。

映画『君の顔では泣けない』が映画化された経緯

『君の顔では泣けない』は、君嶋彼方さんのデビュー小説を原作にした映画です。

入れ替わりをテーマにしながらも、元に戻れないまま15年を生きる二人を描いた物語として話題を集めました。

ここでは、映画化が決まった当時の原作者の反応や、完成した映画版への思いを紹介します。

原作者も驚いた映画化決定

原作『君の顔では泣けない』は、2021年に刊行された君嶋彼方さんのデビュー作です。

東京国際映画祭のトークセッションで君嶋さんは、映画化について

「小説家になった時の夢のひとつが映像化でした」

と語っています。

さらに、

「こんなに早く叶うとは思わなかった」

とも話しており、デビュー作の映画化に大きな驚きがあったことがうかがえます。

小説家としての夢が叶っただけでなく、東京国際映画祭で上映されたことについても、

「映画そのものの力だと思っています」

とコメント。

キャストやスタッフへの感謝を口にしていました。

原作者が絶賛した映画版

坂下雄一郎監督は映画化にあたり、「恋愛映画にはしない」「入れ替わりを大げさなコメディにしない」という方針を大切にしていたそうです。

実はこの考え方は、原作者の君嶋さんも映像化にあたって望んでいたポイントでした。

映画を観た君嶋さんは、

「本当に真摯に原作に向き合って映像化していただいた」

とコメントしています。

入れ替わりという設定の面白さよりも、二人が15年をどう生きたのかを丁寧に描く。

その原作の魅力を、映画版もしっかり受け継いでいたようです。

原作者自身がここまで高く評価していることからも、映画版が作品の世界観を大切に作られていることが伝わってきます。

芳根京子と髙橋海人が挑んだ入れ替わり演技

『君の顔では泣けない』の大きな見どころのひとつが、芳根京子さんと髙橋海人さんによる入れ替わり演技です。

本作では、高校1年生で入れ替わった陸とまなみが、そのまま15年を生きていきます。

単純に男女の違いを演じるだけではなく、相手の人生そのものを背負わなければならない難しい役どころでした。

ここでは、二人がどのような思いで役作りに向き合ったのかを紹介します。

芳根京子が向き合った「陸」という人格

芳根京子さんが演じたのは、外見はまなみですが、中身は陸という難しい役です。

入れ替わり作品というと、男性らしい仕草や話し方に注目が集まりがちですが、芳根さんは少し違うアプローチで役作りをしていました。

インタビューでは、

「私は陸と向き合えばいいんだ」

と語っており、「男性を演じるのではなく、陸という一人の人間を演じること」を大切にしていたそうです。

また、

「所作や仕草は内面の延長線上に自然と表れるもの」

とも話しており、見た目を作り込むよりも内面を深く理解することを重視していました。

実際に撮影前には、陸の両親を演じるキャストと顔合わせをしたほか、陸が育った団地も訪問したそうです。

役の背景や家族との関係まで感じ取ろうとする姿勢からも、芳根さんの丁寧な役作りが伝わってきます。

映画を観ていると、まなみの体で生きる陸の感情が自然と伝わってきますが、その裏にはこうした地道な準備があったようです。

髙橋海人が背負った二人分の人生

髙橋海人さんが演じたのは、外見は陸ですが、中身はまなみという複雑な役です。

本作について髙橋さんは、

「誰かの人生を考えること自体は他の作品と同じ。でも今回はそれが二人分だった」

と振り返っています。

高校生から大人になるまでの15年間を描くうえに、自分とは別の人格を抱えたまま生きる人物を演じる必要があり、役作りには相当なエネルギーを使ったそうです。

当初は女性らしい仕草についても考えたそうですが、準備を進める中で、「男性と女性の話ではなく、人と人が入れ替わる物語」だと考えるようになったといいます。

この考え方は、芳根京子さんの「陸という人間を演じる」というアプローチにも通じるものがあります。

また坂下雄一郎監督は、髙橋さんについて

「読み合わせの時から誰が見てもまなみだった」

と高く評価していました。

性別の違いを演じるのではなく、まなみという人格を表現すること。

その積み重ねが、映画の自然な入れ替わり演技につながっているように感じました。

本作で髙橋海人さんの演技に魅力を感じた方は、映画【アキラとあきら】もチェックしてみてください。

映画【アキラとあきら】ネタバレ 考察とまとめ

二人がたどり着いた役作りの答え

『君の顔では泣けない』を観ていると、不思議なくらい入れ替わり設定を意識しなくなる瞬間があります。

それは、芳根京子さんと髙橋海人さんが単に男女を演じ分けるのではなく、人物そのものを作り上げていたからかもしれません。

実際に二人のインタビューを読むと、役作りに対する考え方には共通する部分が多くありました。

性別ではなく人格を演じる

入れ替わり作品では、男性らしい仕草や女性らしい話し方に注目が集まりがちです。

しかし本作で芳根京子さんと髙橋海人さんが重視したのは、性別ではなく人格でした。

芳根さんは「一人の人間として陸をどう生きるか」を考え、髙橋さんも「男性と女性ではなく、人と人が入れ替わる話」と捉えて役作りに臨んだそうです。

二人が目指したのは、入れ替わりを演じることではなく、その人物として生きること。

だからこそ観る側も違和感なく、陸とまなみの15年に引き込まれていくのかもしれません。

入れ替わりを演じすぎない工夫

『君の顔では泣けない』は入れ替わりを題材にした作品ですが、描かれるのは特別な出来事よりも、その後の15年間の日常です。

髙橋海人さんは、

「『何かが起きています』という表現は削いでいかないといけないと思った」

と語っています。

二人が意識したのは、入れ替わりを強調することではなく、その状況を受け入れて生きる人物を自然に演じることでした。

また坂下雄一郎監督も、企画段階から大げさなコメディにはしない方針を掲げていたそうです。

キャストと監督が同じ方向を向いていたことが、本作ならではのリアルな空気感につながったのかもしれません。

坂下雄一郎監督が大切にした演出方針

『君の顔では泣けない』が多くの入れ替わり作品と違って見えるのは、坂下雄一郎監督の演出方針も大きく関係しています。

本作では、設定の面白さを前面に押し出すのではなく、入れ替わった二人が生きる日常や感情の変化を丁寧に描いています。

その背景には、監督が企画段階から大切にしていた考えがありました。

コメディにも恋愛映画にも寄せなかった理由

坂下雄一郎監督は、企画段階から

「二人の恋愛の話にはしない」

「入れ替わりを大げさなコメディにはしない」

という方針を掲げていたそうです。

監督が描こうとしたのは、入れ替わりの面白さではなく、二人が抱える人生や感情でした。

原作者の君嶋彼方さんも、

「本当に真摯に原作に向き合って映像化していただいた」

と語っています。

原作の空気感を大切にしたことが、本作ならではの静かな余韻につながったのかもしれません。

映画版では原作から変更されたシーンや追加された演出もあります。原作との違いについては、こちらの記事で詳しく書いています。

映画【君の顔では泣けない】原作との違いを解説|追加シーンやラストの変更点まとめ

リハーサル初日から完成形だった

入れ替わり作品では、俳優がどれだけ役を理解できるかが作品の完成度を左右します。

その点について坂下雄一郎監督は、芳根京子さんと髙橋海人さんを高く評価していました。

監督によると、演技指導はほとんど行わず、数日間のリハーサルを重ねる程度だったそうです。

それにもかかわらず、

「完成形に近いものがリハーサル初日から出ていた」

と振り返っています。

さらに、

「達者な方に来てもらえてよかった」

とも語っており、二人への信頼の大きさが伝わってきます。

細かな演技指導で作り上げたというより、俳優自身が役を深く理解していた。

だからこそ、陸とまなみの15年間が自然なものとしてスクリーンに映し出されたのかもしれません。

原作者も絶賛した印象的なシーン

『君の顔では泣けない』には、観終わったあとも心に残る場面がいくつも登場します。

その中には、原作者の君嶋彼方さんが特に印象的だったと語るシーンや、坂下雄一郎監督が撮影中に強く心を動かされたシーンもありました。

ここでは、制作陣が語った撮影秘話とともに振り返ってみます。

「鍵を閉める」シーンに込められた意味

東京国際映画祭のトークセッションで、原作者の君嶋彼方さんが特に印象に残ったシーンとして挙げたのが、「鍵を閉める」場面です。

陸がまなみと仲たがいし、部屋を出て鍵を閉めるシーンですが、実はこの描写は幼少期の陸と母親のエピソードとも重なっています。

君嶋さんは、

「原作の意図をちゃんと読み取ってくださって、さらに素晴らしいシーンとして昇華してくださった」

と映画版を高く評価していました。

坂下監督によると、「鍵を閉める」という行為には、相手との関係を拒絶する意味を持たせていたそうです。

さらに同じモチーフを繰り返し描くことで、登場人物たちの心の距離や関係性の変化を表現していました。

何気ない場面に見えても、こうした細かな演出が積み重なっていることが分かります。

髙橋海人のリアルな芝居に監督も興奮

下監督が特に印象に残ったシーンとして挙げたのが、まなみ(陸の体)が感情をぶつける場面です。

劇中で、

「俺の顔で情けなく泣かないでくれる?」

と言われたあと、

「戻りたくないわけないでしょ」

と返すシーンがあります。

監督によると、このとき髙橋海人さんは珍しくセリフを少し噛んだそうです。

しかし、その言い直し方があまりにも自然で、

「その場のリアリティを感じた」

と撮影中に興奮したことを明かしています。

完璧な演技ではなく、その瞬間に生まれた感情が映像に残った。

だからこそ、観る側の心にも強く響くシーンになったのかもしれません。

監督が語ったエピソードからも、髙橋さんの繊細な表現力の高さが伝わってきます。

ラストシーンやタイトルの意味について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

映画【君の顔では泣けない】ラストの意味を考察|タイトル回収と結末を解説

過酷だった真夏の撮影現場

『君の顔では泣けない』は、繊細な人間ドラマが印象的な作品ですが、その裏側では厳しい環境での撮影が続いていました。

坂下雄一郎監督のインタビューによると、撮影は2025年8月に行われ、猛暑や天候の変化に悩まされる日々だったそうです。

ここでは、撮影現場で起きていた苦労や裏話を紹介します。

群馬ロケは猛暑と台風との戦い

坂下監督によると、本作の撮影は群馬県を中心に行われました。

しかし撮影期間中は、記録的な暑さに加え、台風が2度も接近するなど天候が不安定だったそうです。

晴れていたと思えば突然雨が降り、また曇るという状況が続き、スタッフはその都度対応を迫られました。

それでも監督は、

「優秀なキャストやスタッフに集まっていただけた」

と振り返っています。

厳しい環境の中でも予定されていたシーンを撮り切ったことから、現場のチームワークの強さが伝わってきます。

作品の静かな雰囲気からは想像しにくいですが、撮影現場はまさに天候との戦いだったようです。

屋上シーンは撮影中断するほどの暑さだった

撮影で特に大変だったと監督が語ったのが、高校生時代の陸とまなみが登場する学校の屋上シーンです。

屋上の床が白かったため、太陽光が反射し、想像以上の暑さになってしまったそうです。

監督は、

「暑すぎて撮影が途中で止まりました」

と明かしています。

さらに、この場面は二人の重要なシーンだったため、他の場面よりもテイク数が多く、キャストの負担も大きかったといいます。

観客が数分で見るシーンのために、キャストとスタッフは過酷な環境の中で撮影に挑んでいました。

映画を見返す際は、そんな舞台裏にも注目してみると印象が変わるかもしれません。

長回しが生んだリアルな空気感

『君の顔では泣けない』を観ていると、まるで二人の人生をそっと覗いているような感覚になる場面があります。

その理由のひとつが、坂下雄一郎監督が選んだ撮影スタイルでした。

監督によると、本作は比較的短い撮影スケジュールだったこともあり、カメラ位置を細かく変えるよりも、ひとつのカットを長めに撮る場面が多かったそうです。

その結果、俳優同士の自然な間や空気感がそのまま映像に残る作品になりました。

特に芳根京子さんと髙橋海人さんは、リハーサルの段階から高い完成度を見せていたといいます。

だからこそ、長回しでも無理に演技を作り込むのではなく、その場で生まれる感情や沈黙を大切にできたのでしょう。

実際に監督は、髙橋さんの独特な「間」の取り方にも注目していました。

夜の駐車場でのシーンでは、40〜50秒近い沈黙が続く場面もあったそうです。

言葉で説明しすぎず、表情や空気で感情を伝える。

そんな演出が、『君の顔では泣けない』ならではのリアリティにつながっているのかもしれません。

みんなの評判は?

公開後の感想を見ていると、芳根京子さんと髙橋海人さんの演技力を評価する声が特に多く見られました。

芳根京子さんと髙橋海人さんが作り上げた繊細な演技にも注目しながら鑑賞すると、より深く作品を楽しめるのではないでしょうか。

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FAQ(よくある質問)

Q1. 芳根京子さんと髙橋海人さんはどのように入れ替わりを演じたのですか?

二人とも性別の違いを強調するのではなく、人格そのものを演じることを重視していました。自然な感情表現を大切にしたことが、本作のリアルな入れ替わり演技につながっています。

Q2. 坂下雄一郎監督はどんな演出方針で撮影したのですか?

坂下監督は「恋愛映画にしない」「大げさなコメディにしない」という方針で制作を進めました。設定よりも、二人の人生や感情を丁寧に描くことを重視しています。

Q3. 『君の顔では泣けない』の撮影で大変だったことは何ですか?

撮影は真夏の群馬県で行われ、猛暑や台風の影響に悩まされたそうです。特に学校の屋上シーンは暑さで撮影が一時中断するほど過酷な環境でした。

まとめ

映画『君の顔では泣けない』は、入れ替わりという設定を描きながらも、その面白さだけに頼らず、陸とまなみの15年間の人生を丁寧に映し出した作品です。

芳根京子さんと髙橋海人さんは、性別ではなく人格を演じることを大切にしながら役作りに取り組みました。

また坂下雄一郎監督も、恋愛やコメディに寄せすぎず、二人の感情や関係性を描くことを重視していたそうです。

原作者の君嶋彼方さんが映画版を高く評価していることからも、作品への真摯な向き合い方が伝わってきます。

撮影秘話やインタビューを知ったうえで作品を観ると、何気ない表情や沈黙のシーンにも違った意味が見えてくるかもしれません。

まだ鑑賞していない方はもちろん、一度観た方もぜひ二人の演技や細かな演出に注目しながら作品を楽しんでみてください。

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