就活映画だと思って観始めたのに、気づけばずっと胸の奥がザワザワしていた――。
映画【六人の嘘つきな大学生】は、ほぼ会話だけで進むワンシチュエーションの密室劇です。それにもかかわらず、人間の弱さや身勝手さ、そして「正しさ」が持つ残酷さを、容赦なく突きつけてきます。
観終わったあとに残るのは爽快感ではなく、後味の悪さにも似た余韻。それはきっと、「自分だったらどうしただろう」と考えずにはいられなくなるからでしょう。本作は、就活という題材を借りて、人間の本性を描いたヒリヒリするミステリーです。
映画【六人の嘘つきな大学生】の伏線と考察まとめについて解説します。
今回紹介するのは、下記の「6点」です。
1.就活×密室ミステリーという異色の設定
2.会話劇なのに、なぜここまで息苦しいのか
3.誰にも感情移入できてしまう怖さ
ここから先は、映画『六人の嘘つきな大学生』の核心に触れるネタバレを含みます。
4.ネタバレあり|疑心暗鬼が生まれた瞬間を考察
5.伏線回収|すべては最初から仕組まれていた
6.九賀が怪しく見えなかった理由|演技分析
本編予告&あらすじ
あらすじ
浅倉秋成による大ヒットミステリー小説を映画化した密室サスペンス。
人気エンタテインメント企業の新卒採用で最終選考に残った6人の就活生。「6人でチームを作り、1カ月後のグループディスカッションに臨む」という課題を与えられた彼らは、全員での内定獲得を目指して万全の準備で選考の日を迎えるが、急な課題の変更が通達される。6人の中で勝ち残るのは1人だけで、その1人は彼ら自身で決めるというのだ。戸惑う彼らに追い打ちをかけるかのように、6通の怪しい封筒が見つかる。その中には「詐欺師」「犯罪者」「人殺し」など6人それぞれを告発する衝撃的な内容が記されていた。やがて会議室という密室で、6人の本当の姿が次々と暴かれていく。
洞察力に優れた主人公・嶌衣織を浜辺美波、まっすぐな性格でムードメーカーとなる波多野祥吾を赤楚衛二、冷静で的確なリーダーシップをとる九賀蒼太を佐野勇斗、語学力と人脈に自信を持つ矢代つばさを山下美月、口数が少なく分析力に優れた森久保公彦を倉悠貴、スポーツマンでボランティアサークルの代表を務める袴田亮を西垣匠が演じた。「キサラギ」「シティーハンター」の佐藤祐市が監督を務め、テレビドラマ「毒島ゆり子のせきらら日記」の矢島弘一が脚本を担当。
映画.COM
就活×密室ミステリーという異色の設定
物語の舞台は、人気IT企業「スピラリンクス」の最終選考。
6人の大学生が一つの部屋に集められ、グループディスカッションを行いながら、たった一人の内定者を決めるという状況に追い込まれます。
この設定だけでも十分に緊張感がありますが、途中から「ある仕掛け」が用意されていることで、場の空気は一変します。
就活という現実的な題材と、ミステリー要素の融合が、本作ならではの独特な空気感を生み出しています。
会話劇なのに、なぜここまで息苦しいのか
本作は、古典的名作映画『十二人の怒れる男』を思わせるワンシチュエーション構成です。また、邦画作品では『十二人の優しい日本人』にも通じます。
派手なアクションも、場面転換もほとんどありません。それでも観客を惹きつけるのは、「言葉」がすべてを左右するからです。
何気ない一言が評価につながり、沈黙すらマイナスになるかもしれない。そんな極限状態の中で、6人は徐々に本音と建前の狭間に追い込まれていきます。
誰にも感情移入できてしまう怖さ
登場する6人は、最初から悪人として描かれていません。むしろ、協力し合い、仲を深めていこうとする姿が丁寧に描かれます。
だからこそ、ある出来事をきっかけに関係性が崩れ始めたとき、観ている側も強いストレスを感じるのです。
「自分も同じ立場だったら、同じ選択をしてしまうかもしれない」――そんな共感が、本作を単なるミステリー以上の作品にしています。
ネタバレあり|疑心暗鬼が生まれた瞬間を考察
ネタバレ等の記載があります。ストーリー等を知りたくない方はご注意下さい。
仲良しだった6人が壊れていく過程
物語前半では、6人が徐々に打ち解けていく様子が描かれます。
「全員で納得できる結論を出そう」「誰かを蹴落とす必要はない」――そんな理想論が、かろうじて成立している状態です。
しかし、最初の“暴露”が行われた瞬間、その空気は一気に崩れます。
誰かの過去が明るみに出たことで、ディスカッションは協力の場から、生き残りをかけた戦場へと変わってしまうのです。
暴露は正義か、それとも自己防衛か
暴露が続くにつれ、6人の思考は歪んでいきます。「次は誰が暴かれるのか」「自分が不利にならないためにはどうすればいいのか」
最初は拒絶していたはずの行為を、いつの間にか受け入れ、むしろ望んでしまう。その変化が、この映画の一番恐ろしい部分です。
暴露は正義ではなく、自己防衛のための武器へと変貌していきます。
波多野が犯人に仕立て上げられた理由
波多野祥吾(赤楚衛二)は、暴露の流れに最後まで迎合しなかった人物です。だからこそ、彼の正論は次第に疎まれ、浮いた存在になっていきます。
未成年飲酒という比較的ダメージの小さい暴露内容も、後になって考えると違和感があります。「一番怪しくない人が犯人にされる」――集団心理の怖さが、ここで強烈に描かれます。
伏線回収|すべては最初から仕組まれていた
写真に隠された決定的な違和感
暴露写真には、共通点がありました。傷や模様、撮影日時、場所――これらを整理していくと、同一人物が同日に撮影するのは不可能だと分かります。
にもかかわらず、参加者たちはその矛盾に気づこうとしませんでした。それほどまでに、疑心暗鬼に陥っていたのです。
白いビンとピンぼけ写真が示す真実
波多野のサークルサイトにあった写真と、暴露に使われた写真の違い。そこから浮かび上がるのは、「白いビンを酒だと認識していない人物」の存在です。
この違和感こそが、真犯人へとつながる最大のヒントでした。
真犯人・九賀の動機
九賀蒼太(佐野勇斗)は、内定を得るために事件を起こしたわけではありません。彼の動機は、尊敬する先輩がスピラリンクスに落とされたことへの不満、そして人事部への抗議でした。
6人の本性を暴き、企業側に「人を見る目がない」ことを突きつける。その歪んだ正義が、この事件を生み出したのです。
8年後パートが示す本当のテーマ
――これは「犯人当て」の物語ではなかった
8年後パートが観客に突きつけるのは、「誰が犯人だったのか」というミステリーの答えではない。本作が本当に描きたかったのは、“人はどこで間違え、どこからやり直せるのか” という問いだ。
最終選考の場で、6人はそれぞれ「内定を勝ち取る」という目的のために、他人の過去を裁き、排除する側に回った。そこにあったのは正義ではなく、恐怖と保身、そして集団心理だ。その結果、波多野は犯人というレッテルを貼られ、誰からも疑問を差し挟まれないまま切り捨てられてしまう。
8年後、嶌が再び真相を追い始めるのは、単なる罪悪感からではない。「あのとき、自分たちは本当に正しい選択をしたのか」その問いに向き合わなければ、社会人として、そして一人の人間として前に進めないからだ。
重要なのは、8年という時間が、誰一人として“完全な悪人”を生み出していない点にある。九賀は確かに事件の首謀者だったが、彼の動機は復讐や愉快犯的なものではなく、「正しく評価されなかった人間の怒り」だった。そして、暴露された5人もまた、他人を裁く側に立ったことの重さを、それぞれ背負い続けている。
USBに残された波多野の音声は、観客に安堵を与えるための救済ではない。「彼らは悪人ではなかった」その言葉は同時に、「だからといって、やったことが消えるわけではない」 という厳しい現実を突きつける。
ラストで嶌が墓前に手を合わせ、「ここからがスタートだ」と前を向く姿は、赦しの物語ではない。それは、過去の過ちを引き受けたうえで生き続ける覚悟の表明だ。
8年後パートが示す本当のテーマは明確だ。この物語は、「嘘を暴く映画」ではなく、“人が他人を裁いてしまったあと、どう生き直すのか”を描いた映画なのだ。
九賀が怪しく見えなかった理由|演技分析
九賀蒼太は、本作において「真犯人でありながら、最後まで怪しく見えない」という非常に難しい役どころです。その成立に大きく貢献しているのが、佐野勇斗の演技設計でした。
感情を前に出さない“安全な人物像”
九賀の発言は、基本的に筋が通っています。誰かを守るようにも聞こえ、場を俯瞰しているようにも見える。
しかしそれは裏を返せば、自分が矢面に立たない位置取りでもあります。佐野勇斗はこの微妙なバランスを、声のトーンと間で巧みに表現しています。
観客は無意識のうちに、
「この人は議論を壊す側ではない」 と判断し、疑う意識を手放してしまいます。
正論を語ることで生まれる“免罪符”
九賀の発言は、基本的に筋が通っています。誰かを守るようにも聞こえ、場を俯瞰しているようにも見える。
しかしそれは裏を返せば、自分が矢面に立たない位置取りでもあります。佐野勇斗はこの微妙なバランスを、声のトーンと間で巧みに表現しています。
視聴者は無意識のうちに、「この人は議論を壊す側ではない」 と判断し、疑う意識を手放してしまいます。
視線とリアクションの抑制が生む錯覚
九賀は、他人の暴露が出たときも過剰なリアクションを取りません。 驚きすぎず、動揺しすぎず、ただ情報を処理しているように見える。
このリアクションの薄さが、
「何かを隠している」ではなく 「巻き込まれているだけ」 という印象を与えます。
佐野勇斗さんの演技は、あえて“見せ場を作らない”ことで、九賀を群像劇の背景に溶け込ませているのです。
以上が、映画【六人の嘘つきな大学生】の考察まとめでした。

なるほど~そういう意味もあるのかぁ~
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スタッフと主要キャスト
Wikipedia
スタッフ 監督 :佐藤祐市
脚本 :矢島弘一
原作 :浅倉秋成
企画・プロデュース:上田太地、椿宜和
音楽 :佐藤直紀
主題歌 :緑黄色社会「馬鹿の一つ覚え」
撮影 :花村也寸志
美術 :金勝浩一
録音 :金杉貴史
照明 :高井大樹
編集 :田口拓也
配給 :東宝
制作プロダクション:KADOKAWA
製作 :「六人の嘘つきな大学生」製作委員会キャスト 嶌衣織 :浜辺美波
波多野祥吾:赤楚衛二
九賀蒼太 :佐野勇斗
矢代つばさ:山下美月
森久保公彦:倉悠貴
袴田亮 :西垣匠
波多野芳恵:中田青渚
鴻上達章 :木村了
石川宣親 :渡辺大公開 2024年11月22日 上映時間 113分
みんなの評判は?
映画「六人の嘘つきな大学生」🇯🇵観た
— ★✴︎⭐︎陽菜⭐︎✴︎★ (@hina_Smiles_) December 30, 2025
成長IT企業「スピラリンクス」の新卒採用最終選考に残った6人の就活生が、内定をかけたグループディスカッションに挑む物語
やばい๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐
泣いたわ😭
人事なんて所詮そんなもんよ
だからって人を陥れるな‼️
もぅ会えないじゃん😭
話せないじゃん‼️😭 pic.twitter.com/gsJDsgxRMj
家帰ってから、描きながらアマプラでこれ見た😀
— 徳田明子 2026年1月19日〜個展 美岳画廊 (@kurage3gou) December 28, 2025
「六人の嘘つきな大学生」
これは原作読んでる😆
原作が凄く面白かったので
どんな風に映画にしたのかなぁと見たけど、だいたい原作通り😀
浜辺美波ちゃんが可愛い💕 pic.twitter.com/Ng20RPRi3w
六人の嘘つきな大学生の実写映画よかった!勿論原作の方が少しだけダーティな雰囲気が強いから原作推しだけど実写も悪くなかった(。⊿°」∠)あと、主題歌が映画タイムアップ曲って素敵!浜辺美波もただただ可愛かった…
— インベスターmeroro (@meroro39) August 18, 2025
まとめ
映画【六人の嘘つきな大学生】の伏線と考察まとめについて解説しました。
今回紹介したのは、下記の「6点」です。
1.就活×密室ミステリーという異色の設定
2.会話劇なのに、なぜここまで息苦しいのか
3.誰にも感情移入できてしまう怖さ
ここから先は、映画『六人の嘘つきな大学生』の核心に触れるネタバレを含みます。
4.ネタバレあり|疑心暗鬼が生まれた瞬間を考察
5.伏線回収|すべては最初から仕組まれていた
6.九賀が怪しく見えなかった理由|演技分析

なるほど~そういう意味もあるのかぁ~
もう一度見て確かめてみたいなぁ…
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