映画【室町無頼】　ネタバレ　原作との違いとまとめ

映画
2025.06.10
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映画【室町無頼】は、室町時代末期に大飢饉と疫病で生活が困窮している民百姓を救おうと一揆を企てた男を描いた戦国アクション物。権力に立ち向かう姿を痛快に描いています。今回は、原作との違いや史実との違いについて記事にしています。

映画【室町無頼】の原作との違いとまとめについて解説します。

今回紹介するのは、下記の「5点」です。

1.才蔵の原作との違い
2.兵衛と道賢のイメージの違い
3.芳王子のイメージの違い
4.登場人物の描き方の違い
5.一揆の詳細の違い

才蔵の原作との違い

人物像の描き方の違い

長い六尺棒を操る才蔵(長尾謙杜)は、気は強いが自己流の武術の腕はまだまだで弱い存在。

映画では差し押さえの現場で百姓を懲らしめろと命令されて、身体に突きを入れようとするもわざと外してしまいます。

結果的に壺に隠してある米を見つけるも、命令通りに動かずに足蹴りされた上に蔵の中で縛られてしまいます。

そして、骨皮道賢(堤真一)に預けられた後に、別件の用事で蓮田兵衛(大泉洋)を呼び出して用事を頼みます。そこで、兵衛が才蔵の将来の成長を見込んで引取ることに。

原作小説では土倉の用心棒の一人でした。道賢の手下二人を殺して、三人を大怪我にするほど暴れました。かなり強そうです。

手下がやられてしまったので道賢が現れて、才蔵を気絶させて連れていきます。都にある兵衛の屋敷に出向いて、そこで才蔵を預けています。

修行内容の違い

映画では、兵衛が才蔵を琵琶湖まで連れて行き、唐埼の老人(柄本明)に預けて修行をつませます。瘦せこけた身体の割に武術には長けている様子。

足場の悪い桟橋の上から、木に打ち込まれた釘を突いていく修行や木にぶら下がった無数の刃物を避けて撃ち落とす修行が行われます。

1年とういう歳月を掛けて棒術を身に付けていきます。最後の修行は、自分に勝ったら賞金が出ると称して腕に自慢のあるもの達の挑戦を受けて戦います。

原作小説では、揺れる船の上で水車に打たれた釘を棒で突くという修行でした。最後の修行は、十五人と戦って8人を殺しています。

命を奪わずに助けた中には七尾ノ源三、赤間誠四郎らがいてました。食に困ったら兵衛を頼れと伝えました。

また、映画では巨漢の馬切衛門太郎ともこの時に戦った後に仲間になりましたが、小説では都で名のある牢人で兵衛とは知り合いとして描かれています。

兵衛と道賢のイメージの違い

映画では、道賢は兵衛のことを同等より立場的には格下のように思っている様子でしたが、小説では兵衛に対して尊敬の念を抱いていました。

兵衛のイメージの違い

原作小説の兵衛は、中年で無頼漢な雰囲気はあるが、道賢よりもスマートでやさ男だと書かれています。初めて兵衛に会った道賢が「男にしておくのは惜しい」とも言っています。

弓なりの眉の下、切れ長の目と表現されており、如何にも端正な顔をしています。目力も強い感じとありました。

映画の兵衛は、ご存じの大泉洋さん。背は高くてスラッとはしてますが…男にしていて大丈夫な感じです(笑)

道賢のイメージの違い

原作小説の道賢は、ひときわ大柄な男とのことで巨漢な感じ。映画の馬切衛門太郎を演じた阿見201ほどは無いにしてもかなりの背丈があり大きそうでした。

イガグリ頭でひげを生やしているとあります。映画の道賢を演じた堤真一さんとはかなりイメージが違います。

芳王子の三角関係の違い

映画の芳王子は、松本若菜さんが演じてました。妖艶な雰囲気でへそ出しルックが印象的でした。

道賢と別れて兵衛の娼婦になるところは原作も映画も同じでした。芳王子の屋敷に道賢が押し入るシーンがありましたが、小説では道賢は遠慮した気持ちがあって躊躇いがあるように描かれています。

芳王子は、道賢には兵衛との関係を教えませんでしたが、兵衛自身が道賢の元にやってきて対峙します。…が、最期までの勝負はつけませんでした。お互いに無傷では終えれないと悟ったからでした。

登場人物の描き方の違い

映画では限られた時間ということもあり、登場人物の背景やそれぞれの関係性について大幅にカットされています。

兵衛と道賢の関係は、原作小説では詳しく書かれており二人の関係性も分かります。仲間と思われていたが、最終的には相対する関係に。

また、才蔵の生い立ち、赤間誠四郎や七尾ノ源三に馬切衛門太郎と才蔵との出会い。それらも、原作小説では詳しく書かれています。

因みに、弓の使い手の超煕(武田梨奈)は映画のオリジナルキャラでした。才蔵は、史実には登場していない架空の人物です。

原作小説も映画でも、才蔵の存在と成長は重要な部分でした。小説の上巻や映画の修行のシーンは、洋画でいうところの「ベストキッド」みたいな感じでしたね。

もう少し、修行シーンがあれば個人的には面白かったのに…と感じています。

一揆の詳細の違い

史実では、兵衛が企てた一揆は「寛正の土一揆」でした。２ヶ月近くの間に何度も繰り返して蜂起されたとされています。

映画では、一晩のうちに決着がつきました。用意周到に準備して一揆が決行されました。

蓮田兵衛は、歴史書物に少しだけ記述があります。牢人で下級武士的な身分。浪人や農民を仲間にして、土倉と言われる高利貸しを襲って借金を帳消しする徳政令を幕府から引き出そうとしました。

映画では、借金の証文を燃やし尽くして無かったものにしようとしました。

貧困に喘ぐ庶民をほったらかした幕府の無策は、現在の政治状況にも通じるものがあります。喰うものにも困り、借金や年貢で逼迫した中では一揆を起こすしか無かった。

そういった者達の救世主のような存在が蓮田兵衛でした。政治不信の現在にも蓮田兵衛のような人物が登場することを願いたい心境です。

それにしても…エキストラの数が凄かったです。一揆シーンは迫力があって、流石は東映って感じでした。２回視聴することで内容全体が把握が出来て、より面白さを感じれました。

以上が、映画【室町無頼】の原作との違いとまとめでした。

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総合評価＆あらすじ

あらすじ

1461年、応仁の乱前夜の京みやこ。大飢饉と疫病がこの国を襲った。

賀茂川ベリにはたった二ヶ月で八万を超える死体が積まれ、人身売買、奴隷労働が横行する。
しかし、時の権力者は無能で享楽の日々を過ごすばかり。貨幣経済が進み、富める者はより一層富み、かつてない格差社会となっていた。
蓮田兵衛は、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人。各地を放浪する彼の眼差しは、ひとり遠く、暗黒時代ダークエイジの夜明けを見つめていた。
一方、才蔵はすさまじい武術の才能を秘めた若者。
天涯孤独で餓死寸前を生き延びたが、絶望の中にいた。しかし、兵衛に見出され、鍛えられ、才蔵は兵法者としての道を歩み始める。
才蔵の武器となるのは、“六尺棒”。地獄の修行を終えた時、超人的な棒術を身につけた才蔵の前に敵は無い―。

時は来た―。
才蔵だけでなく、抜刀術の達人、槍使い、金棒の怪力男、洋弓の朝鮮娘ら、個性たっぷりのアウトローたちを束ねる兵衛。
ついに巨大な権力に向けて、京の市中を舞台に空前絶後の都市暴動を仕掛ける。行く手を阻むのは、洛中警護役を担う骨皮道賢。兵衛と道賢はかつて志を同じくした悪友ながら、道を違えた間柄。
かつては道賢、いまは兵衛の想い人である高級遊女の芳王子が二人の突き進む運命を静かに見届ける中、“髑髏の刀”を手に一党を動かす道賢に立ち向かい、

兵衛は命を賭けた戦いに挑む。

映画　室町無頼　公式

スタッフと主要キャスト

スタッフ　監督・脚本　　　：入江悠
原作　　　　　　：垣根涼介
企画プロデュース：須藤泰司
プロデューサー　：栗生一馬、北岡睦己
撮影　　　　　　：大塚亮
美術　　　　　　：松﨑宙人
編集　　　　　　：佐藤崇
配給　　　　　　：東映
製作プロダクション：東映京都撮影所
製作　　　　　　：『室町無頼』製作委員会　
キャスト蓮田兵衛　　　　：大泉洋
才蔵　　　　　　：長尾謙杜
骨皮道賢　　　　：堤真一
芳王子　　　　　：松本若菜
赤間誠四郎　　　：遠藤雄弥
七尾ノ源三　　　：前野朋哉
馬切衛門太郎　　：阿見201
超煕　　　　　　：武田梨奈
小吉　　　　　　：般若
足利義政　　　　：中村蒼
法妙坊暁信　　　：三宅弘城
名和好臣　　　　：北村一輝
唐埼の老人　　　：柄本明
公開2025年1月17日公開
上映時間135分
Wikipedia

みんなの評判は？

まとめ

映画【室町無頼】の原作との違いとまとめについて解説しました。

今回紹介したのは、下記の「5点」です。

1.才蔵の原作との違い
2.兵衛と道賢のイメージの違い
3.芳王子のイメージの違い
4.登場人物の描き方の違い
5.一揆の詳細の違い

なるほど～そんな違いがあったのかぁ～
もう一度見て確かめてみたいなぁ…

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fuchanblog.com
2025.06.13

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