映画【悪い夏】は、同名小説をマイルドにアレンジし、人物の背景やラストシーンが大きく変えられています。原作では語られる過去や動機が、映画では削ぎ落とされた部分も。“悪”や救いの形が異なる印象に。今回はその原作との違いを徹底解説します。
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— 映画『悪い夏』公式 (@waruinatsumovie) March 19, 2025
【真面目な公務員】佐々木 / #北村匠海
じゃあどうすれば
よかったんですか―
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映画【悪い夏】の原作との違いについて解説します。
今回紹介するのは、下記の「5点」です。
1.佐々木の原作との違い
2.金本の原作との違い
3.莉華の原作との違い
4.古川佳澄親子の原作との違い
5.ラストシーンの原作との違い
佐々木の原作との違い
愛美が好きになるシーンの原作との違い
映画『悪い夏』と原作小説では、佐々木守(北村匠海)と林野愛美(河合優実)の距離感を描く重要な場面に大きな違いがあります。クレヨンを買い与えるシーンの後、
原作小説ではより直接的で感情的な描写がなされます。音がした瞬間、愛美はためらいもなく佐々木の体に抱きつくのです。その抱擁は、ただの隠れ蓑ではなく、佐々木に強く意識させるほどの密な接触であり、まさに彼が愛美に惹かれ始めるきっかけとなる場面として描かれています。
一方、映画版では近くに潜んでいた山田(竹原ピストル)が思わず音を立ててしまい、その気配を悟らせまいとするように愛美が咄嗟に佐々木の手を握ります。この仕草は一瞬の緊張を和らげるものであり、二人の間にかすかな親密さを漂わせる演出になっています。
闇落ちするシーンの原作との違い
原作小説『悪い夏』では、佐々木が精神的に追い詰められていく過程に、映画版にはない薬物の要素が濃く描かれています。
佐々木は愛美に騙されたことをきっかけに心が壊れ始めますが、小説では性的不能であるという設定が加えられています。
山田は佐々木と愛美の性行為を盗撮しようと企み、普段売りさばいているMDMAを「バイアグラ」だと偽って佐々木に服用させ、愛美と関係を持たせます。
さらに、愛美に裏切られた佐々木は金本の手下として闇社会に堕ち、金本の勧めで覚せい剤にも手を出すようになります。薬物によって感覚や理性が破壊され、佐々木は自らの意思を失い、暴走していく
——そんな破滅的な転落の過程が小説版ではより生々しく描かれています。こうした麻薬と依存の描写は、映画版よりも一層ダークで救いのない世界観を際立たせています。
金本の原作との違い
原作小説に登場する金本は、「東京から地方に追いやられたヤクザ」という明確な設定があり、再び東京へ戻ることを目指すという動機も描かれています。
この背景によって、彼の存在は単なる悪事を働いて暴力をふるうだけでなく、社会の裏側と密接に結びついた人物で麻薬なども扱うヤクザとして浮かび上がります。
しかし映画版では、その過去や動機は一切触れられず、描かれるのは弱者な人を食い物にして、圧倒的な暴力で従わせる輩として描かれました。
𝐂𝐡𝐚𝐫𝐚𝐜𝐭𝐞𝐫 金本 / #窪田正孝
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【裏社会の住人】
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観ている人は金本を理解する余地が与えられず、ただ理屈抜きに力で恐怖を与える存在として受け取ることになります。
結果として、原作では複雑な背景を持つ人間像だった金本が、映画では視覚的に即座に「悪」「クズ」として認識できるキャラクターへと変化し、物語に緊張感とわかりやすい対立構造を生み出しています。
莉華の原作との違い
原作では、薬物と精神の混乱に呑まれた佐々木が、突発的な衝動で莉華を刺します。そこには感情はなく、人間性を完全に失った末の行為として描かれ、読者に絶望を突きつける展開となっています。
対して映画版では、佐々木ではなく愛美が包丁を手にします。佐々木が莉華に殴られ、怒りが爆発しかけた瞬間、愛美が代わりに莉華を刺してしまいます。
その行為には、「娘を守る」「佐々木をこれ以上闇落ちをさない」という複雑な母の本能と愛情が働いています。
ここでの暴力は単なる激情ではなく、生活と家族を守るために他者を傷つけるという、覚悟を伴った選択です。この改変によって、ラストの意味合いが大きく変わっています。
𝐂𝐡𝐚𝐫𝐚𝐜𝐭𝐞𝐫 莉華 / #箭内夢菜
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【不正受給斡旋】
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古川佳澄親子の原作との違い
映画『悪い夏』に登場する古川佳澄(木南晴夏)は、登場人物の多くが徹底的な「悪」と「クズ」として描かれる中では、偶発的な出来事から万引きに走り、困窮に喘ぐ存在で社会的弱者で断罪しづらい状況。
原作では、佳澄が生活保護を申請するため役所を訪れ、佐々木の怒りや憤りを晴らすような言葉を浴びせられた後、息子とともに無理心中を図り、命を落とします。
一方、映画版では同じ経緯を辿るものの、結果は「意識不明の重体」にとどまり、本編のラストでは佳澄と笑顔の息子が買い物をする場面が描かれます。
この改変により、「生き延びること」への希望を提示する物語性が強調され、より明確なメッセージとして響く構成になっています。
映画『#悪い夏』 𝐒𝐜𝐞𝐧𝐞
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佐々木 ブチギレ
佐々木(#北村匠海)
佳澄(#木南晴夏)#クズワルい夏 pic.twitter.com/KyKQnq3SqW
ラストシーンの原作との違い
映画『悪い夏』の結末は、派手さはないものの、じんわりと心に残る余韻を放っています。荒れ果てた一夜を越え、佐々木は市役所を辞めて清掃員として淡々と働いています。
金本に刺された足は後遺症からか引きずるように歩き、自宅アパートの階段をゆっくりと上り、小さく「ただいま」とつぶやく。
その背後には、ベランダに干された小さな子どもの傘が映り込みます。この一瞬の映像が、観客に「愛美と娘・美空が佐々木と共に暮らしているのかもしれない」という希望めいた想像を抱かせます。
一方、原作のラストはより救いがなく、佐々木は完全に堕落して生活保護を受ける側に転落します。役所での場面では、ケースワーカーから見下すような口調で叱られ、尊厳を削られる屈辱が描かれます。
映画版が「わずかな再生の可能性」を残して幕を閉じるのに対し、原作は「底まで落ちた先に何もない現実」を突きつける——この差異が、作品全体の印象を大きく変えているのです。
以上が、映画【悪い夏】の原作との違いでした。

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印象に残ったセリフ・シーン
印象に残ったセリフ
『だったら助けてよ』
愛美の一言は、単なる反発ではなく、生きるための切実なSOSです。 美空を抱える愛美のようなシングルマザーたちは、日々の生活費にも事欠き、社会的な支援や人とのつながりからも取り残されています。
声を上げても届かない現実に押し潰され、助けを求める言葉すら諦めてしまうことも多い中で、愛美の発言は咄嗟に出たとは言え、その“限界点”から絞り出された叫びです。
映画に登場する古川親子もまた同じ境遇。個人の弱さとかではなく、貧困や孤立を生み出す社会構造そのものが追いやった現実でした。
愛美が『クレヨン買ったぐらいで偉そうにしないで』と佐々木に吐いた言葉もある種、理解が出来るものでした。
理屈をこねる前に他に「やれること」があるのかもしれないと思わせる言葉でした。
印象に残ったシーン
愛美の部屋に関係者一同が集まったカオスなシーン
物語の終盤、これまで「潔白さが私たちの武器」と言っていた宮田が、実は高野と不倫関係にあったことが判明します。
この衝撃的な裏切りに加え、嵐の夜には主要人物が愛美の部屋に集結。まるで作り話かのような展開が一気に加速します。
だが、これこそが映画的な面白さを際立たせています。クライマックスでは、追い詰められ絶体絶命の佐々木を救ったのは、愛美の娘が描いていた絵。嵐で吹き飛ばされた絵が、金本の顔に貼りつきます。
この一瞬が佐々木を救うことになり、偶然以上の“奇跡”が娘の絵で伏線のように回収します。現実と寓話の境界が揺らぎ、物語は一段と鮮烈な余韻を帯びて幕を下ろします。
みんなの評判は?
悪い夏はたくみくんがかわいそすぎる。原作との違い読んでみたらもっと可哀想だな。
— 何を言う早見ゆう (@utopiadayo2580) July 15, 2025
あと原作の方がもっとラスト濃くて面白そう。 pic.twitter.com/uY2JhAm5GA
知人が映画『悪い夏』の原作小説を読んだらしく、わたしは未読だったので映画版との結末の違いを聞いてみたら、映画版とはまったく異なるので驚いた。というか原作のラスト最悪かつ強烈だな。映画版も原作どおりのラストだったらノワールの極北になったかもしれなかった。
— 泣きっぱ (@nakippa) April 5, 2025
『悪い夏』原作の方を読んでいるけど、このどうしようもない「悪(あく)」が絡んでくる感じが好き。自分の身の程は弁えた方が良い。
— アノコの涙は蜜の味 (@you2_you2) March 16, 2025
映画観に行きたいけど、近場ではやらなそう… pic.twitter.com/ZymRHx12sS
染井為人原作の悪い夏の映画化
— こめつぶ (@lunarmare2017) February 23, 2025
城定秀夫監督
向井康介脚本
キャストが演技派揃い!
北村匠海の佐々木
序盤の死んだ目、生気が灯る中盤、狂気の終盤
河合優実の愛美
微かな表情の変化で百伝わって来る
窪田正孝の金本
見た事ない新たな凶犬スタイル素晴らしい#悪い夏 @fansvoicejp
まとめ
映画【悪い夏】の原作との違いについて解説しました。
今回紹介したのは、下記の「5点」です。
1.佐々木の原作との違い
2.金本の原作との違い
3.莉華の原作との違い
4.古川佳澄親子の原作との違い
5.ラストシーンの原作との違い

なるほど~そんな違いがあったのかぁ~
もう一度見て確かめてみたいなぁ…
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