【52ヘルツのクジラたち】撮影秘話|ロケ地エピソードとキャストの裏話

映画
記事内に広告が含まれています。

映画【52ヘルツのクジラたち】は、繊細な心の物語とともに、印象的なロケーションが深く心に残る作品です。本作は原作の舞台でもある大分で撮影されました。なぜ大分だったのか。あの“高台の家”やテラスはどのように生まれたのか。そしてキャストたちは、役にどう向き合ったのか。本記事では、ロケ地誕生の裏側と俳優陣の覚悟に迫ります。

映画【52ヘルツのクジラたち】の撮影秘話について解説します。

今回紹介するのは、下記の5点です。

1.なぜ大分で撮影されたのか|“呼ばれた”ロケ地との出会い
2.高台の家と“ボースンデッキ”誕生秘話
3.佐賀関・煙突の町・媛乃屋食堂
4.志尊淳の覚悟|トランスジェンダー男性役への向き合い方
5.杉咲花×小野花梨|親友だからこその緊張感

なぜ大分で撮影されたのか|“呼ばれた”ロケ地との出会い

物語の空気感と重なる風景を求めた結果、大分という土地にたどり着きました。

成島出監督は当初、予算の都合もあり関東近郊での撮影も検討していたといいます。しかし、大分を訪れた瞬間、その迷いは消えました。

「一度候補地を見に来たら、やっぱりもうここで撮らないとダメだなって思いました。堤防とか全部ファーストコンタクトで決めたんですよ。やっぱご縁だなと思って、なんか大分に呼ばれている感じがすごくしました」

この“呼ばれた”という感覚こそ、本作のロケ地選びを象徴する言葉でしょう。

佐賀関の大煙突、海岸沖の岩にかかる巨大なしめ縄。どの風景も作為的ではなく、そこに在るべくして在ったように映ります。

原作者・町田そのこさん(福岡出身)もまた、大分への特別な思いを語っています。祖母から聞いていた“迷いクジラ”の話が、クジラをモチーフに小説を書く原点だったといいます。

「クジラを書くなら大分と思ったのがそもそものきっかけです。自分が書いたものとわかっていても、映画は涙なしでは見られませんでした」

原作と映画が同じ土地に根を張ったことは、偶然ではなく必然だったのかもしれません。

高台の家と“ボースンデッキ”誕生秘話

本作の象徴ともいえる、海を見下ろす高台の家。
実はこの家、セットではありません。

脚本の龍居由佳里さん、プロデューサーチーム、成島監督が大分でシナリオハンティングを行っていた際、田ノ浦ビーチの上で偶然見つけた一軒家でした。しかもその日、大家さんがたまたま掃除に来ていたという奇跡的なタイミング。

龍居さんが「家、見せてもらえませんか?」と声をかけたことが、運命の分かれ道でした。

さらに驚くのは、大家さんが「昔はザトウクジラが来たんですよ。田ノ浦ビーチの沖で潮を吹いてた」と語ったこと。

成島監督は「これはもう“大分に呼ばれてる!”って思いました」と振り返ります。

そしてあの印象的なテラス。
原作では“縁側”でしたが、映画では大胆にアレンジされました。

監督のアイデアは、京都・鴨川の川床のような、空に浮かぶデッキ。
美術部が設計した亀甲模様の六角形テラスは、神秘的な空間として完成します。

監督はこの場所を“ボースンデッキ”と呼んでいました。
捕鯨船の見張り台(ボースン)をイメージし、「空にも行けるような場所」にしたかったといいます。

「東京編だけだったら絶対行き詰ってたし、辛いだけの映画になるところでした。あの海を見下ろす風景と、風と光が、我々を助けてくれました」

あの風景は、登場人物だけでなく、映画そのものを救った存在だったのです。

なお、テラスは安全面の理由から撮影後に解体。現在は存在しません。

佐賀関・煙突の町・媛乃屋食堂

物語を支えたのは、高台の家だけではありません。

佐賀関の大煙突は、どこか孤独を象徴するようにそびえ立ち、海岸沖の巨大なしめ縄は神秘的な空気を漂わせます。

さらに、地元客でにぎわう「媛乃屋食堂」は、少年の母(西野七瀬)が働く店として登場。撮影期間中、杉咲花さんも何度も足を運び、実際に食事を楽しんでいたそうです。

ロケ地が単なる背景ではなく、物語の一部として息づいていることが伝わります。

ロケ地の詳細については、別記事でまとめています。
映画【52ヘルツのクジラたち】ロケ地・撮影場所まとめ|大分・佐賀関ほか物語順に解説

志尊淳の覚悟|トランスジェンダー男性役への向き合い方

役と真摯に向き合う姿勢が、スクリーンの奥行きを生み出しました。

アンという人物をどう形にするか。
志尊淳さんは、徹底的なリサーチから役作りを始めました。

トランスジェンダー男性の方々が写った本を読み、それぞれの生い立ちや生き方を学ぶ。そこからビジュアルの方向性を考えたといいます。

しかし、それだけでは足りないと感じた志尊さんは、トランスジェンダー指導の若林佑真さんの紹介で当事者の方々と直接対話する機会を持ちました。

「失礼に値するかもしれないんですが、いろいろ聞かせてくださいとお願いしました」

その誠実な姿勢の中で生まれたのが、あのビジュアルです。

髭は1本単位で調整。
鼻下に付けるか、顎の広さはどうするか。カメラテストを重ねながら作り上げました。

それは単なる見た目の変化ではなく、「アンとして生きる」覚悟の証だったのです。

杉咲花×小野花梨|親友だからこその緊張感

実際の信頼関係があったからこそ、あの緊張感あるやり取りが成立しました。

杉咲花さんと小野花梨さんは、実はプライベートでも親友。
しかしだからこそ、不安もあったといいます。

杉咲さんは「役として交われるのだろうかという妙な緊張感があった」と振り返ります。けれど現場で向き合ったとき、そこにいたのは“花梨”ではなく“美晴”だったと語ります。

一方、小野さんは「仕事だと思ったら友だちいる!って感じで頭がおかしくなりました」と笑いながらも、心遣いを取っ払えたことで演じやすさもあったと明かしています。

さらに驚くのは、原作との出会い。
実は小野さんが杉咲さんに勧めた本が『52ヘルツのクジラたち』だったのです。

その後、杉咲さんに貴瑚役のオファーが届き、美晴役が小野さんに決まる――まるで物語のような巡り合わせでした。

作品全体の感想はこちらで詳しく書いています。
映画【52ヘルツのクジラたち】感想・考察|それでも希望があってほしかった

※本作の配信情報は記事下部にまとめています。

みんなの評判は?

観た人の声を見てみると、印象に残ったポイントが浮かび上がってきます。

まとめ

【52ヘルツのクジラたち】は、偶然が重なって生まれた作品のように見えて、その一つ一つは必然だったのかもしれません。

大分に“呼ばれた”ロケ地。
幻となったボースンデッキ。
1本単位で作られた髭。
親友同士の緊張感。

風景と俳優たちの覚悟が重なったからこそ、この映画はただ“辛い物語”ではなく、どこか救いのある作品になりました。

成島監督はこう語ります。

「お世話になった風景をまずは大分の人に見てもらいたいですし、キャストたちが本当に全身全霊で役にぶつかってくれた映画なので、ぜひ大きなスクリーンで見ていただけたらと思います」

もしもう一度観るなら、ぜひ風景にも注目してみてください。
あの海と光が、きっとあなたにも静かに寄り添ってくれるはずです。

もし本作が気になった方は、配信情報もチェックしてみてください。

Amazonプライムビデオはこちら

(※配信状況は時期により異なる場合があります)

ここからは、撮影秘話についてよくある質問をまとめました。

よくある質問(FAQ)

Q1. なぜ大分で撮影されたのですか?

A. 成島監督が現地を訪れ、「ここで撮るしかない」と直感したためです。主要ロケ地はほぼ即決でした。

Q2. 高台の家とテラスはセットですか?

A. 家は実在する民家。テラスは映画のために制作され、現在は解体されています。

Q3. 志尊淳さんの役作りの特徴は?

A. 当事者との対話を重ね、髭を1本単位で調整するなど、細部まで徹底して作り上げました。

▼ 配信サービスについて

→ Amazonプライムビデオの登録・解約手順を画像付きで解説

あわせて読みたい

映画【52ヘルツのクジラたち】感想・考察まとめ
映画【52ヘルツのクジラたち】ロケ地情報まとめ

コメント

タイトルとURLをコピーしました